資金の大まかな動きを把握したい
「当面の資金繰りに不安はないが、資金の大まかな動きについては把握しておきたい」
そういう場合は、事業収支と財務収支(金融収支)、現預金残高の次月繰越が分かれば、事足りるかと思います。あとは必要に応じて項目を細分化していきましょう。
月の途中で資金不足にならないか把握したい
月末残高のみの資金繰り表では資金ショートとならない場合でも、月の途中に仕入代金の支払などの大きな支払が発生する場合、月の途中で一時的な資金不足に陥る可能性があります。
これを予見するためには、月途中の特定の日の残高を表示します。
以下の3つの方法があります。
一か月を複数列で表示
例えば、1~15日、16~末日、といったように前半と後半の2列に分けます。
支払日に合わせたり、ゴトウ日単位、週単位で作成されると良いでしょう。
長所:数式がシンプルで使いやすい
短所:一か月の合計や推移が見づらい
※近日中にイメージ追加します
現預金残高を複数行で表示
月末の現預金残高の上に、例えば15日時点の残高行を追加します。
各入出金項目の横には、15日以前のフラグを立てるための列を追加しましょう。
15日時点の現預金残高を算出するには、個別にセルを参照する方法と、sumproduct関数を使いフラグが立っている箇所のみを集計する方法があります。
長所:通常の資金繰りとほとんど見た目が変わらない
短所:直接セル参照の場合はセルの参照漏れが発生するリスクがあり、sumproduct関数はExcelに不慣れな方だと、とっつきにくい。
※近日中に図を追加します
入金と支払を紐付けたい(受注生産型・受注販売型等)
入金と支払のずれ方が1パターンであれば、斜めに参照させる方法で良いでしょう。
ずれ方が得意先によりバラバラの場合は、内訳を表示し、個々に紐付けます。
また、受注管理表を別シートで作成し、それを参照させ資金繰り表を自動化すると、より精度を高めることができます。
残高の一致を毎日確認したい
この場合、発生日が月によって変動しますので、現預金残高を複数行設置し、発生日欄を毎月の列内に置き、sumproductで参照する方法が良いでしょう。
月跨ぎに対応させたい
ひと月を複数列とするタイプであれば、容易に対応できます。
複数列でない場合は、数式バーで加算するか、項目を二行で構成するか、といった対応になります。
どちらをとるかは、月末残高のみであれば加算、月途中の残高を求める場合は、二行で構成が適しています。
また、もし自動で跨がせたいのであれば、月末が土日にかかるか否かのフラグを予め設定しておきます。ただ、月跨ぎを資金繰り表に反映させるのは、現預金残高と一致させることが目的でしょうから、自動化に手間をかけるよりも、二行に分けるか合算するかのいずれかで対応する方が現実的でしょう。
まとめ
例えば、月途中の仕入代金支払時のみ注意が必要な場合は、取引先数も多くなければ、日付固定・残高複数行タイプで十分かと思います。
資金繰りのひっ迫度合いや、入出金の複雑度合いに応じて、タイプを決められると良いでしょう。
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