経営改善するにしてもどこから手を付ければ良いか…って信金さんに話したら、早期経営改善計画を教えて貰ったんだけど、実際どんな流れになるの?
早期経営改善計画策定支援事業とは?
端的に言えば、資金の流れや事業の全体像を確認して、どこを目指してこれからどう行動するか、一度作成してみましょう、というものです。また、専門家(認定支援機関)の支援を得ながらしっかりと作成するのであれば、国が費用の2/3を負担してくれるので自己負担は10万円ほどで済みます。さらに、この10万円には後日のフォロー費用も含まれます(1~2年後)。
お金の流れや会社の現状を可視化したい方、今後の方向性をしっかり考える機会を持ちたいという方で、入門的に取り組んでみたい方には、とても適した制度です。
1. 経営革新等支援機関(認定支援機関)の選定
早期経営以前計画策定支援事業を利用するのであれば、支援を受ける認定支援機関を決める必要があります。計画策定を得意とする認定支援機関が身近にいれば良いですが、いなければ顧問税理士や金融機関に相談すれば紹介して貰えると思います(当ラボでもご相談は承っております)。
認定支援機関検索支援システムを利用して、ご自身で探すこともできます。
尚、認定支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として国が認定した個人・組織をいい、公認会計士や税理士・中小企業診断士等の士業、金融機関や商工会議所などが認定されています。
2. 事前相談
認定支援機関に選定されたら、まずは事前相談を行いましょう。
ここでは、自社の経営状況や改善したい課題などを具体的に伝え、支援内容や費用について確認します。
事前相談では、以下の点について話し合うことになるでしょう。
- 自社の経営状況の把握
- 改善したい課題の洗い出し
- 支援内容の確認
- 費用の確認
3. 早期経営改善計画の中小企業庁サンプル
中小企業庁のWEBサイト(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/04.html)にて、早期経営改善計画のサンプルとして以下の3つが確認できます。
サンプル1(事業計画書)
サンプル2(収益力改善計画)
サンプル3(タイトルなし)
画質が粗く詳細は読み取れませんが、概ね以下のような構成と思われます。
ビジネス俯瞰図(外部環境、商流、部門概要、業務フロー)
アクションプラン
業績及び資金計画表
3. 早期経営改善計画の策定
事前相談を経て、認定支援機関と共に経営改善計画を策定していきます。
計画策定では、以下のステップを踏むことになります。
- 現状分析
- 課題の洗い出し
- 改善策の検討
- 計画の立案
- 計画の実行
現状分析では、財務状況や売上・コストなどのデータを分析し、自社の強みや弱み、課題を明らかにします。
課題の洗い出しでは、現状分析の結果から、経営改善の重点分野を絞り込み、具体的な課題を洗い出します。
改善策の検討では、課題ごとに複数の改善策を検討し、その効果や実現可能性を評価します。
計画の立案では、検討した改善策を具体的な施策としてまとめ、実行スケジュールや予算などを明確にします。計画の実行では、策定した計画に基づいて、具体的な施策を実行していきます。
4. 認定支援機関によるフォローアップ
計画が策定されたら、認定支援機関によるフォローアップが行われます。フォローアップでは、計画の進捗状況を確認するとともに、必要に応じて改善策の見直しや追加の支援が行われます。
フォローアップは、計画の実行を成功させるために重要なものです。認定支援機関のアドバイスを受けながら、計画の進捗状況を適宜確認し、必要に応じて改善策を検討しましょう。
早期経営改善計画のメリット
早期経営改善計画を策定することで、以下のメリットが得られます。
- 自社の経営課題を明確にすることができる
- 改善策を具体的に検討することができる
- 実行スケジュールや予算を明確にすることができる
- 認定支援機関による専門的な支援を受けることができる
早期経営改善計画は、経営改善への第一歩となるものです。計画策定に不慣れな経営者でも、認定支援機関の支援を受けることで、比較的簡単に策定することができます。経営改善に取り組みたいと考えている経営者は、ぜひ早期経営改善計画の策定を検討してみてください。
早期経営改善計画の作り方のポイント
(1)現状分析をしっかりと行う
現状分析では、財務状況や売上・コストなどのデータを分析し、自社の強みや弱み、課題を明らかにします。現状分析をしっかりと行うことで、自社の強みや弱みを理解し、経営改善の重点分野を絞り込むことができます。
現状分析を行う際には、以下の点に注意しましょう。
①財務状況を分析する
②売上・コストを分析する
③営業活動を分析する
④生産・製造活動を分析する
⑤人事・労務を分析する
⑥課題を具体的に洗い出す
現状分析の結果から、経営改善の重点分野を絞り込み、具体的な課題を洗い出します。課題を具体的に洗い出すことで、改善策を検討する際に役立ちます。
(2)課題を具体的に洗い出す
課題を洗い出す際には、以下の点に注意しましょう。
①課題を定量的に表現する
②課題の原因を明確にする
③課題の優先順位を決める
④実現可能性の高い改善策を検討する
課題ごとに複数の改善策を検討し、その効果や実現可能性を評価します。
実現可能性の高い改善策を検討することで、計画の実行を成功させることができます。
(3)実現可能性の高い改善策を検討する
改善策を検討する際には、以下の点に注意しましょう。
改善策の効果を検証する
改善策の実行可能性を検証する
改善策の実行コストを検証する
計画の実行を継続する
策定した計画を実行し、その進捗状況を適宜確認し、必要に応じて改善策を検討します。
計画の実行を継続することで、経営改善の効果を最大限に引き出すことができます。
(4)計画の実行を継続する
計画の実行を継続するためには、以下の点に注意しましょう。
①計画の進捗状況を定期的に確認する
②計画の進捗状況に応じて改善策を検討する
③計画の実行を社内に周知する
まとめ
早期経営改善計画は、経営改善への第一歩となるものです。計画策定に不慣れな経営者でも、認定支援機関の支援を受けることで、比較的簡単に策定することができます。経営改善に取り組みたいと考えている経営者は、ぜひ早期経営改善計画の策定を検討してみてください。
経営改善計画の策定を成功させるためのポイント
早期経営改善計画の策定を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
①経営改善の必要性を経営者自身が強く認識する
②認定支援機関の支援を活用する
③計画策定を経営者主導で行う
④計画の実行を継続する
経営改善の必要性を経営者自身が強く認識していてこそ、計画策定や実行を完遂することができます。
認定支援機関の専門的な知見やノウハウを活かして、より効果的な計画を策定しましょう。
計画策定においては、経営者の思いが反映された計画であることが大切です。
思いを伝え、認定支援機関との対話を深め、それを計画として可視化していきましょう。
そうした思いのこもった、経営者の腑に落ちる計画であればこそ、実行を継続でき、経営改善の効果を最大限に引き出すことができるのです。
早期経営改善計画の策定は、経営改善への第一歩です。これらのポイントを押さえて、ぜひ成功に導いてください。
コメント